このブログを検索

自己紹介

「とうふ先生」と呼んでください。今まで58の国と地域から来た留学生と一緒に日本語を勉強してきました。Please call me “Teacher Tofu”. I have taught Japanese Language to the international students from 58 different countries and regions.

2014年7月26日土曜日

店員に「ありがとうございました」と言われたら

3日前に梅雨明け(つゆあけ:雨の季節が終わること)したと思ったら、35度の猛暑(もうしょ:きびしい暑さ)が続いています。この夏日本への旅行を考えている人は、暑さを考えて無理のない計画を立ててくださいね。

では前回の、店員の「ありがとうございました。」への返事について、観察した結果をお知らせします。
残念ながら、答えはDです。ほとんどすべての人が何も言いません。こんな感じです。

店員:ありがとうございました。またお越しくださいませ。
客:・・・(無言でおつりとレシートを受け取って外へ出る)

これについて、質問したヨーロッパの学生に「何も言わなくていいですよ」話したところ、彼は
「日本のサービスはマニュアルによって機械的に決められているので、店員のあいさつも機械と同じと考えて返事しなくてもいいのかもしれません。でも、私は子供の時から人にあいさつされて返さないのはとても失礼だと思っているので、黙っているのは気持ちが悪いのです。」
と言いました。

実は、私も彼と同じ感覚を持っていて、無言には抵抗を感じています。そこで、私自身がどうしているかというと、スーパー、ファストフード店などでは、軽く「どうも」と言いますレストランの場合なら、「ごちそうさまでした。」と言います。

ファストフード店でアルバイトしている人に聞いてみたら、「どうも」という客も時々いるそうです。店員の立場からしても、やはり無言よりも丁寧に感じるそうです。それより面白いと思ったのは、無言の中にも、店員が失礼に感じる無言と、丁寧さを感じる無言があるということです。

ちょっと目を見て微笑んだり、会釈(えしゃく:少しだけ頭を下げる軽いおじぎ)をしたり、その少しの動作によって、とても丁寧な印象を受けるそうです。

2014年7月20日日曜日

レジでのあいさつ

ヨーロッパから日本へきて2年目の人から、こんな質問をされました。

Q:スーパーやレジでお金を払ったら、
 店員が「ありがとうございました。」と言いますね。
 それに対して、私は何と言ったらいいですか。

私はあるレストランのレジに近い席でコーヒーを飲みながら、
店員と客の様子を観察してみました。
その結果わかったことは、次のどれでしょうか。

A.「ありがとう。」と言う
B.「どういたしまして。」と言う
C.それ以外の言葉を言う
D.何も言わない

答えは次回!

2014年7月13日日曜日

猫の「おかあさん」って誰ですか?

「おかあさん」と「はは」の使い分けについて、本来のルールとは違う意識が若い人の間で広がっているらしいことを、以前
http://tofunihongokyoushitsu.blogspot.jp/2014/05/blog-post_31.html
でお話しました。

この「おかあさん」について、この前ちょっとびっくりする経験をしました。
うちの猫で、この日本語教室のアシスタントでもあるさくらが耳をかゆがっていたので、動物病院へ連れて行きました。


「じゃ、おかあさん、ちょっと押さえててくださいね。」
「お薬を出しますから、おかあさん11回お耳にいれてあげてくださいね。」

私は猫の子を産んだことはないんですけど、獣医さんも看護師さんも、当たり前のように私を「おかあさん」と呼ぶのです。それでは若い男性がペットを連れてきた場合は、彼は「おとうさん」と呼ばれるのでしょうか? ぜひ聞いてみたいものです。

皆さんの国では、子供の学校や病院などで、教師や医者が母親に呼びかける言葉は何ですか。日本では一般的に「おかあさん」です。私もそう呼ばれることには慣れていましたが、動物病院で猫のおかあさんになったのには驚きました。

少子高齢化が進む日本では、子供の人口よりもはるかに多いペットが飼われているそうです。人間の子供の親ではなく、ペットの飼い主としての「おかあさん」は、これからもますます広がっていくのでしょうか。

2014年7月6日日曜日

敬語が怖い日本人

敬語を使って話す場合は、
「相手の側の人」のことか、「自分の側の人」のことか、
話題が次々に変わっていくのに合わせて尊敬語と謙譲語を使い分けるのですから、
たいへんです。
まるで難しいゲームのように、集中力が必要です。
これは、外国人に限らず、生まれた時から日本語を話していても同じことです。
よく間違えるのはもちろん、敬語を使う場面を怖がる日本人もたくさんいます。
それでも、まだ電話が家に1台しかなかったころは、
子供の時からこの使い分けを練習するチャンスがありました。


うちの電話のベルが鳴って子供が緊張しながら受話器を取ると、
「おとうさんはいらっしゃいますか。」という声。
そこで、誰でも一度や二度はつい相手の言葉をそのまま繰り返して
「はい、おとうさんはいらっしゃいます。」
と言ってしまいます。
そして、周りの大人に
「父はおります。」と言いなさいと教えてもらうことによって、敬語の使い方を少しずつ理解することができました。
でも、一人一人が携帯電話を持つようになって、このような機会はほとんどなくなってしまいました。
もしかしたら、多くの人にとって、就職して新入社員研修を受けるときが、敬語をちゃんと習う最初の機会なのかもしれません。

日本語を後から勉強した外国人の皆さんは、教科書に書いてある使い分けのルールと基本的な尊敬語、謙譲語をいくつか知っていれば、もうそれだけで敬語については大勢の日本人に勝っていると言えそうです。