自己紹介

「とうふ」と申します。日本女性です。日本語教師を約30年やっています。今は神奈川県にある私立大学で、留学生に教えています。好きな食べ物はとうふです。

2014年11月30日日曜日

「心が折れる」という表現

日本語には、「足を伸ばす」(わざわざちょっと遠くまで行く)、「腹が立つ」(怒る)など、体の一部を使った慣用表現がたくさんあります。

また、く「心」についても、「心が躍る」(楽しみで興奮する)、「心に刻む」(忘れないようにしっかり覚える)など、様々な言い方があります。

そんな中で、最近若い人を中心によく使われるようになった表現で、ちょっと気になっているものがあります。
それは、「心が折れる」です。
昔はそんな言い方はあまりしなかったような気がします。


「心が折れる」
この意味は、
それまでがんばっていたのに、
自信を無くすようなことや とてもショックなことに出会って、
突然やる気や元気をなくしてしまうということです。

「折れる」には、硬い棒のようなものがポキッと二つに折れて、
もう元に戻らないようなイメージがあります。
ですから、その人が感じた心の痛みと、
「もうだめだ」という絶望感をよく表していると思います。

でも、私は「心が折れる」に対して、ちょっと疑問を感じています。
それは「心」は「折れる」ものだろうかという疑問です。

心は傷つきやすく、痛みを感じやすいです。
でも、心はやわらかく、しなやかで、折れたりしないものではないでしょうか。

「心が折れた!もうだめだ!」と思い込むのは、
そのような表現によって「思い込まされて」(使役受け身形)いるのかもしれません。

時間がたてば、また何かのきっかけによって元気な心を取り戻せるのではないでしょうか。

使役受け身形の説明は次回!



 



さくらは冬用の新しいうちをもらいました。

2014年11月25日火曜日

イルミネーションの季節

昨日、仕事が終わって帰ろうとしたら、キャンパスのイルミネーションが点灯していました。


日本はキリスト教国ではなく、この大学もキリスト教の学校ではありませんが、
クリスマスが近づくと、宗教とは関係なくいろいろなところにイルミネーションが登場します。

一年が終わり、新しい年が近づくころは、寒さが最も厳しい時期です。
冬の夜に輝くイルミネーションは、寒さを忘れて何か特別な気分にさせてくれます。

このようにイルミネーションがあちこちで盛んになった背景には、LED電球の普及があると思います。光が鮮やかで電力消費量が少ないLEDを発明したのは、3人の日本人研究者です。
彼らがノーベル賞受賞者に選ばれたことは、今年の日本のニュースの中でイルミネーションのように輝いています。




2014年11月16日日曜日

「日本(で)住む」はなぜ間違いか

皆さんは、「『住む』の前は『で』じゃなくて『に』ですよ。」と直されて、「あ、また間違えた!」と思ったことはありませんか。

場所の助詞といえば、「で」なのに、なぜ「~(で)住む」ではなく、「日本(に)住んでいる」と言わなければならないのでしょうか。

「に」を使う理由は、「住む」という動詞が表すのが、「何かをする」という具体的な動作ではなく、そこに「いつもいる場所がある」、「住所がある」、というような状態だからだと思います。

場所の助詞「で」は、具体的な動作、つまりアクション(action
の舞台を表します。
例えば、「部屋で友達と話している」と言えば、「部屋」は「友達と話す」という動作をしている舞台です。ですから、「で」に続くのは、「ご飯を食べる」、「音楽を聞く」、「本を読む」などの具体的な動作を表す動詞です。

これに対して「住む」は、「そこ(に)いる」状態を表すと考えると、間違えにくくなるのではないでしょうか。

「住む」に似た動詞に、「生活する」がありますが、こちらはご飯を食べたり、掃除をしたり、寝たり起きたり、…というような具体的な動作を全部含めた意味を持っているので、

「日本(で)生活する」になります。

さくらはすてきなうち(に)すんでいます。

さくらはうち(で)ほんをよんでいます。

2014年11月9日日曜日

「赤くなる」「きれいになる」

 同じ場所から撮った2枚の写真から、
紅葉(こうよう:木の葉が落ちる前に、色が赤や黄色に変わること)の様子がよくわかります。

今日は、日本語の変化の表現の基本を復習しましょう。
まず、「赤」のような「い形容詞」を使うなら、「くなる」の形にして、
木の葉が、赤くなった
のように変化を表現するんでしたよね。

では、「きれい」はどうでしょうか。こちらは「きれい花」というように「な形容詞」ですから、
になる」の形にして、
きれいになった
のように変化を表現します。

名詞の場合も、「な形容詞」と同じで、
11になった
私は将来、経営者になりたい
のようになります。


それでは、動詞の場合はどうでしょうか。
動詞には、もともと変化の意味を持っている動詞と、
変化の意味がない動詞があります。



変化の意味を持っている動詞には、「変わる」、「慣れる」、「(病気が)治る」などがあります。
これらは、そのまま
秋になれば木の葉の色が変わる。
もう新しい生活に慣れた。
のように使います。

では、例えば「食べる」のように、変化の意味がない動詞の場合は、
どうすればいいでしょうか。
こちらは「ようになる」をつけて、
日本へ来る前はあまり魚を食べなかったが、こちらへ来てから食べるようになった。
のようにします。 
以前は「食べなかった」が、最近「食べる」へ習慣が変化したという意味になります。
「~ようになる」は、
「前は辛い物が食べられなかったが、最近食べられるようになった。」
のように可能形といっしょに使われる場合もあります。
その場合は「できなかった」ことが「できる」状態に変化したという意味になります。

では、逆の場合はどうでしょうか。
前は「した」ことが「しない」状態になったり、
前は「できた」ことが「できない」状態になったりした場合です。

「しない」「できない」の「な」は文法的に「い形容詞」と同じ形なので、「くなる」になります。

最近、日本語をあまり読まなくなった
日本語をだんだん忘れて、話せなくなった

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