自己紹介

「とうふ」と申します。日本女性です。日本語教師を約30年やっています。今は神奈川県にある私立大学で、留学生に教えています。好きな食べ物はとうふです。

2015年11月22日日曜日

助詞をまちがえたらどうなるか2

今回は、前回の助詞の話の続きです。
次の例は、科学の実験です。
ABは、何が違うのでしょうか。

A硫酸(H2SO4  入れる
B硫酸(H2SO4  入れる

助詞が同じなら、ことばの順番を変えても意味は同じです。
A 硫酸(H2SO4 入れる
B 硫酸(H2SO4 入れる


それでは、ABを絵で見てみましょう。


「~」は、「入れるもの」を表しています。
「~」は、ものが「入っていくところ」を表しています。
ABでは、それが反対です。

理科の知識がある人は「あぶない!」と気がついたと思います。
Bは爆発する危険がありますね。

このように、助詞を間違えたらけがをする場合もあるのです。 
実験や料理をする人は、この「入れる」という動詞と一緒に使う「を」と「に」をしっかり理解してくださいね。

2015年11月14日土曜日

助詞をまちがえたらどうなるか1

「日本語で何が難しいですか。」と質問すると、大勢の人が「が」「に」「を」などの助詞がいちばん難しいと答えます。

では、助詞を間違えた場合、どんな問題が起きるでしょうか。
あまり問題が起きない場合と、大きい問題が起きる場合があると思います。

あまり問題が起きない場合は、相手に「ちょっとへんだな」と思われますが、何が言いたいかわかってもらえます。

例えば、「に」と「で」を間違えて、「東京住んでいます。」と言った場合がそうです。
相手は「東京住んでいます」という意味だろうとわかってくれます。
「に」と「で」の違いについては


を見てくださいね。

反対に、助詞の間違いによって、すごい意味になってしまうこともあります。
先週、私が教えている大学の授業で、
「落ちてくる」ということばの使い方を練習していました。
ものが落ちて、話している「わたし」のほうへ来るという意味です。

Aさんが、こんな例文を作りました。

木の枝から  落ちてきた。

その時の私たちの会話です。
とうふ:「ええーっ、本当ですか?! 怖すぎます。」
Aさん:「本当です。」
とうふ:「警察を呼びましたか?」
Aさん:「なぜ…?」

もう一度よく聞いてみたら、実はAさんが言いたいことは、
こちらでした。

から   落ちてきた。

これも、少しびっくりすることですが、警察を呼ばなくてもいいですね。



この文の中心にあるのは、
 落ちてきた  という動詞です。
そして、「」「」「」という名詞と
落ちてきた  との関係を表しているのが助詞です。

から 「落ちてくる」という動きが始まるところ
  落ちてきたもの  
  落ちてきたものが行く方向

ですから、名詞につく助詞が同じだったら、
ことばの順番を
 から  落ちてきた。
のように変えても、意味は同じです。

助詞は気にしすぎたらだめですが、やっぱり日本語の中で大きい仕事をしています。
次回、助詞の違いがとても重要な例をもう一つ紹介します。

2015年11月3日火曜日

七五三 7は「なな」? 「しち」?

少し寒くなってきましたが、爽やかで気持ちのいい天気が続いています。
今、日本の神社へいくと、伝統的な着物を着た子供たちをよく見ます。
 
長いそでの着物は「ふりそで」です。

スカートのようなものは「はかま」、上着は「はおり」です。

 これは、11月が「七五三(しちごさん)」という伝統的な行事の季節だからです。
漢字の七五三を数字で書くと7・5・3です。
7歳の女の子、5歳の男の子、3歳の女の子がこのお祝いをします。
子供がここまで大きくなったことを家族で祝い、これからも無事に成長することを神様にお願いします。 

7歳」は「しちさい」ではなく「ななさい」ですが、「七五三」は「しち・ご・さん」と発音します。
数字の7は「しち」と読む場合、「なな」と読む場合、どちらも使う場合がありますから、ちょっと困りますね。
では、これを読んでみましょう。答えは下にあります。

① 7
② 7
③ 7
④ 17
④ 7
⑤ 7
⑥ 7
⑦ 7
⑧ 7クラス

答え 
(使わないものを〇〇のように消してあります。)
① ななねん しちねん
 なながつ しちがつ  
③ なのか  しちにち
③ じゅうななにち じゅうしちにち
 ななじ  しちじ (「ななじ」を使うこともあります)
⑤ ななふん しちふん
⑥ ななにん しちにん
⑦ ななばん しちばん
⑧ ななクラス しちクラス

「覚えられない!」と言わないで、よく見てください。
「なな」を使う場合と、どちらでもいい場合が多いでしょう。
ですから、②と④の「しちがつ」と「しちじ」だけをしっかり覚えて、ほかの場合は「なな」を使えば大丈夫です。

もし、それで間違えても、「なな」は発音がわかりやすいですから、たぶんわかってもらえるでしょう。
一方の「しち」のほうは「いち」と間違えやすいので、「し」のshをはっきりと発音してくださいね。